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資源有効活用

基本的な考え方

新興国の経済成長によって資源枯渇や環境汚染などの問題が一層顕在化することが予想されます。鉄は回収が容易で、リサイクル性に優れた素材であり、同じ材料製品の原料として無限にリサイクルが可能です(クローズド・ループ・リサイクル)。JFEグループは製鉄プロセスでの副産物の再資源化、工事現場での廃棄物削減、鉄スクラップのグローバル循環など、グループ内の事業それぞれの特徴を活かして資源使用量の削減や資源循環に貢献しています。また、鉄スクラップリサイクルやバイオマス燃料化・廃棄物発電など、生産工程と製品・サービスの各々で資源効率の向上を目指しています。

目標と実績

JFEグループは、資源の有効活用を製造業にとって重要な環境課題と認識しており、各社の事業特性に合わせた高い目標を設定し、実績を管理しています。2020年度までCSR重要課題としてKPIを設定し、毎年安定して目標を達成し、取り組みを確立してきました。引き続き、以下の高い目標を設定して、資源の有効活用に取り組んでいきます。

2022年度の目標と実績および2023年度の目標

事業会社 2022年度の目標 2022年度の実績・取り組み 2023年度の目標
JFEスチール 副産物の再資源化率:
99%以上
副産物の再資源化率:
99.5%
副産物の再資源化率:
99%以上
JFEエンジニアリング 建設現場でのリサイクル率

がれきリサイクル率:
99.5%以上

汚泥リサイクル率:
95.0%以上

産廃リサイクル率:
85.0%以上

リサイクル率

がれきリサイクル率:
99.9%以上

汚泥リサイクル率:
99.0%以上

産廃リサイクル率:
84.4%以上

建設現場でのリサイクル率

がれきリサイクル率:
99.5%以上

汚泥リサイクル率:
95.0%以上

産廃リサイクル率:
85.0%以上

オフィス資源物再生資源化率
(横浜本社):98.0%以上
98.7% オフィス資源物再生資源化率
(横浜本社):98.0%以上
JFE商事 鉄スクラップのグローバルな資源循環

2020年度取り扱い数量以上(2024年度目標:2020年度比5%増)

スクラップ取引量:
2020年度比▲14%
鉄スクラップのグローバルな資源循環

2020年度取り扱い数量以上(2024年度目標:2020年度比5%増)

取り組み

副産物の発生・排出抑制と有効利用

JFEスチール

鉄鋼スラグ(製鉄工程の副産物)や、高炉・転炉の鉄系ダスト、水処理スラッジなどの副産物については、再資源化率向上の目標を定め、発生・排出の抑制を推進しています。鉄分を多く含むダストやスラッジについては、製鉄原料への再利用を進めています。また、鉄鋼スラグについてはセメント材料や土木材料などで有効利用しています。さらに、環境修復材(生物付着基盤や海域環境改善材として有効に機能する「マリンストーン®」など)への活用を推進しています。その結果、2022年度のスラグ・ダスト・スラッジ再資源化率は99.5%となっており、再資源化率の目標値99%以上を達成し、今後も継続して達成していきます。

副産物の最終処分量・再資源化率推移

副産物の最終処分量・再資源化率推移

集計範囲:JFEスチールの国内連結子会社22社

副産物関連の定量データは以下をご参照ください。

環境データ

リサイクルの推進

JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリングにおける主要な廃棄物は、建設工事から排出されるがれきや汚泥などの建設廃棄物と、鶴見製作所、津製作所から排出される産業廃棄物です。これらについて、環境目標とするリサイクル率を設定し、適切な分別の上でリサイクル率の高い処理業者へ委託するなどの取り組みにより、産業廃棄物の排出削減および資源循環を推進しています。また、2022年4月から施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に対応して、環境目標にプラスチックのリサイクルなどに向けた取り組みを追加しています。

横浜本社では、オフィス資源物の再生資源化率の目標を設定し、リデュース(両面コピーの推奨)、リユース(ファイル専用回収箱、名刺ケース回収箱を設けて再利用を促進、ラベルプリンターカートリッジの回収)、リサイクル(ごみ分別の徹底による再資源化促進)の3Rへの取り組みを継続しています。また、JFEエンジニアリンググループでは、ペットボトルリサイクル事業や食品廃棄物リサイクル事業を通じて、循環型社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

JFEエンジニアリンググループの廃棄物排出量(2022年度)

JFEエンジニアリンググループの廃棄物排出量(2022年度)

集計範囲:JFEエンジニアリング単体、国内連結子会社11社

廃棄物排出量の推移(現地工事部門)

廃棄物排出量の推移(現地工事部門)

製作所における産業廃棄物関連の定量データは以下をご参照ください。

環境データ

JFEグループの資源循環ソリューション

JFEグループでは、循環型社会の形成に向けてさまざまな側面からの取り組みを行っており、各社の事業特性に合わせた資源循環の目標を設定して活動を推進しています。製鉄所では、製鉄プロセスにおける原料や水などの資源の有効利用に加え、使用済みプラスチックを高炉原料として使用するなど、再生資源の利用を促進しています。さらに、製鉄プロセスから発生する副産物を有効利用する取り組み、鉄スクラップをグローバルに循環させる取り組みを行っています。また、鉄の高いリサイクル性を生かした商品開発を通じて、プラスチックごみ問題の解決に貢献する取り組みも推進しています。

エンジニアリング分野では、食品廃棄物や下水汚泥のバイオマス燃料化、廃棄物発電などのプラント・インフラ施設等の建設および、これら施設の運転、運営の受託による資源循環ソリューションを提供しています。さらに、ペットボトル、プラスチック等のリサイクル事業やエネルギー供給事業を展開し、サーキュラーエコノミーの推進に向けた取り組みを行っています。

JFEスチールおよびJFEエンジニアリングのリサイクル事業は以下をご参照ください。

JFEグループのリサイクル事業一覧

資源循環に関する商品・技術の詳細は以下をご参照ください。

環境配慮型プロセス・商品の開発と提供

環境コミュニケーション

資源循環に関する商品・技術

リサイクル性の高いスチール製カップによるプラスチックごみ問題解決への貢献

JFEスチールは、鉄の特性を活かし、軽くて丈夫で、薄型で心地よい口当たりや冷涼感などを特徴とするリサイクル型スチールカップを提案しています。スチールカップは、鉄の高いリサイクル性を生かし、スチール製品として何度でも何にでも生まれ変わります。また、リサイクルが容易なスチールカップを使用することで、使い捨てプラスチックのごみ問題解決にも貢献できます。スチール製品(Steel)の良さを活かして、スタイリッシュ(Stylish)に地球環境に貢献できるように、という思いを込めたロゴ「Steelish®」を掲げ、リサイクル可能なスチール製品を使うライフスタイルおよびその提案活動を展開しています。

この活動では、2021年より「BETTER RECYCLE 湘南」プロジェクトを推進しています。本プロジェクトは、新製品の開発を通じて新しいライフスタイルを提案することで、消費者と一緒にプラスチック容器の使い捨て問題にアプローチし、問題解決に貢献する新しい試みです。(株)IBLC および「湘南スタイルmagazine」(発行:(株)EDITORS)をメンバーとするプロジェクトチームを立ち上げ、湘南エリアを活動の場とし、地元自治体やテイクアウト容器を提供する事業者の協力を得ながら、環境に優しい飲料用スチールカップの試作品構想を固めました。2022年11月には、神奈川県立辻堂海浜公園で開催された、国内初のゼロ・ウエストの実現と湘南の未来を考える「カーニバル湘南2022」で取り組みの紹介を行うなど各種イベントで採用されました。

2023年3月には、東京都目黒区で開催された中目黒の桜開花時期の“使い捨てプラスチックカップゼロ”を目指すイベント「ナカメチャレンジコップ2023」において、スチールカップが採用されました。アサヒユウアス(株)と(一社)ナカメエリアマネジメントが共催し、桜を楽しむと同時に、プラスチックごみ削減やフードロス削減などのサステナブルな取り組みを自ら実践してもらうきっかけとすることを目的に開催されました。

今後も鉄という素材を通じて、社会やお客様のニーズに応じたソリューションを提供することで、気候変動問題やプラスチックごみ問題などの環境課題に対する意識醸成やSDGsの目標達成に貢献していきます。

Steelish®ロゴ
Steelish®ロゴ
リサイクル型スチールカップ
リサイクル型スチールカップ

飲料用リサイクル型スチールカップ製品ホームページ

BETTER RECYCLE 湘南