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労働安全衛生

取り組み

労働安全衛生に関する取り組み

JFEグループでは、安全に関する事業会社の取り組みについて、定期的に取締役会において報告を行い、指示・監督を受けています。また、事業会社では安全衛生委員会等を通じて、安全と健康に関して労働組合との意見交換を行っています。

第7次中期経営計画において「重大災害ゼロの達成」に向け、特に安全対策への優先的な投資(グループ全体で年間100億円規模)を実施し、本質安全化によるリスク低減に注力しています。さらに、先進IT技術を活用した多角的な安全衛生管理(検知・モニタリング等)も推進していきます。

また、JFEグループでは、新任管理者や監督者に対する安全衛生研修において、労働安全衛生法やリスクアセスメント法、作業計画の作成、安全衛生管理方針の作成について教育を実施しています。建設部門については、建設工事の現地所長(統括安全衛生責任者)に対する研修において、労働安全衛生法を中心に関連する下請法、建設業法等の教育を実施しています(2022年:409名 参加)。加えて、新入社員および階層別教育にてメンタルヘルス教育を実施しています(2022年:751名 参加)。

JFEスチール

2023年安全健康活動方針は直・協のコミュニケーションを深めながら、自主自立の安全活動の実践と、「健康宣言」を軸とした活動の2項目を展開しています。「全社重大災害0の達成、各職場災害0の達成」という目標を掲げ、管理監督者は毎日現場に出る活動、作業者は規律ある行動の実践に取り組んでいます。安全管理のツールとして安全モニタリングシステムの導入など、ITを活用した安全対策にも積極的に取り組んでいます。

また、労働安全衛生管理を組織全体でさらに自立的かつ体系的に推進するため、国際規格ISO45001に準拠した労働安全衛生マネジメントシステムを構築し、全事業所で国際規格ISO45001(JIS Q 45001)の認証を取得しました。

今後とも、労働安全衛生マネジメントシステムを継続的かつ効果的に運用していくことで、より安全で健康的な職場づくりに努めていきます。

【認証取得事業所】

・知多製造所(2021年9月9日)
・福山地区(2021年12月16日)
・千葉地区(2022年5月26日)
・倉敷地区(2022年5月26日)
・仙台製造所(2022年12月15日)
・京浜地区(2023年1月19日)

JFEスチールでは、災害リスクの低減活動として「リスクアセスメント」を活用したリスク評価を推進しています。設備新設の計画段階や定期的・非定期的な設備補修時に予め「リスクアセスメント」を用いてリスク評価することで災害の未然防止やリスク軽減を行っています。また設備の本質安全化を追求し、作業者に対するリスクレベルの低減も図っています。

労働災害が発生した場合は、必要に応じて災害調査委員会を発足し、原因の究明、対策部署への改善勧告を行っています。同時に関係部署、労働組合にも安全衛生委員会等で報告を行っており、対策部署は対策を実施し完了報告を行います。以上の仕組みを全社規程として定めて運用しています。重大災害に対しては、その対策を全社展開し、執行役員会議で対策が完遂するまで進捗状況を定期的に報告しており、この仕組みも全社水平展開要領として規程化しています。その他のインシデントに対しても、全社水平展開の必要性をトップマネジメントと協議・決定し、全社水平展開を実施しています。

また、労働災害が発生した際には、上記に加え日本鉄鋼連盟に対し災害報告要領に則り、即時、報告を行っています。そして、原因究明後、対策が決まり次第、続報を提出しています。重大災害が発生した場合は、「安全・防災・環境事案に係る報告書」を経済産業省、厚生労働省、日本鉄鋼連盟へ直ちに提出しています。

一酸化炭素濃度や酸素濃度などの情報を作業者の位置情報とともにリアルタイムで管理者に知らせるシステム

全社安全衛生管理体制

全社安全衛生管理体制
JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリングでは、拠点事業所単位に適用業種、従業員数に応じた労働安全衛生法に対応する安全衛生管理組織に加え、建設・操業現場や製作所の全社管理を円滑かつ機能的に運営するため事業本部単位に安全衛生管理体制を設けています。災害を防止するため、従業員および協力会社の全員が必ず遵守すべき「全社共通の重点実施項目」を定め、各事業本部の業務特性を踏まえた「リスクアセスメントによる危険源の特定と安全対策」を推進し、協力会社やグループ会社を含め災害の撲滅に注力しています。また、「心と体の健康づくり」「快適な職場環境づくり」などの活動を推進し、従業員の健康確保と労働衛生水準の向上に努めています。

発生した労働災害は、本部安全衛生管理者が参画する会議にて原因、対策の検討、全社水平展開を実施しています。2016年から、国内外の建設工事や鶴見・津製作所の製造業務について労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001認証取得)を運用するとともに、新たな取り組みとしてIT(監視、検知等)を活用した多角的な安全衛生管理を推進しています。

JFE商事

JFE商事では、コイルセンターなどの加工拠点における重大災害ゼロを目指し、「重大災害につながる不安全作業の撲滅」を目標に、以下の活動を実施しています。

管理監督者による現場パトロールでの不安全作業の洗い出し、あるいは各作業者のKY(危険予知)の確実な実行等によるリスクアセスメント

不安全作業に気づき、回避する力の向上のための類似災害検討や危険体感訓練

リスクを低減する安全センサー設置等、設備改善の実施

作業訓練(クレーン玉掛訓練等)や作業標準の見直しによるルール遵守の意識付け等の実施

また、これら安全活動の推進役としてグループ会社各社に安全担当者を配置し、各社の安全衛生活動のレベルアップを図っています。JFE商事グループ全体で同じ価値観を共有すべく、安全担当者とは隔月で安全衛生に関する知識・情報を共有する安全担当者会議を設けています。

休業災害が発生した場合はその都度各グループ会社社長から経営トップへ報告する仕組みとなっており、JFE商事グループ一体で安全衛生管理に取り組んでいます。また、年に一度、安全表彰を実施し、安全衛生活動への積極的な取り組みを促しています。これらによりJFE商事グループ全体の安全管理レベルをさらに底上げし、安全・安心な職場環境づくりを継続して進めていきます。

健康経営

事業会社ごとの全社目標

JFEグループ共通のKPI以外に、事業会社ごとにも全社目標を設定し、健康経営を推進しています。

  項目 2022年実績 2023年度の目標
JFEスチール 健診の徹底・強化 85.4% 精密検査受診率100%
55.1%※1 被扶養配偶者検診受診率60%
重症化予防 ※2 特定保健指導実施率60%以上
30.7% 肥満者(BMI25以上)比率25%以下
禁煙・分煙の推進 26.6% 喫煙率26.5%(年1.5%減)
JFEエンジニアリング 睡眠対策 36.7% 睡眠リスク(健康診断「問診票」の回答結果で判定)
35%以下
受動喫煙対策 22.3% 喫煙率21.3%以下(年1%減)
肥満対策 40.5% 肥満率(BMI25以上または腹囲男性≧85、女性≧90)
38.3%以下
コラボヘルス ※2 特定保健指導実施率50%以上
54.4%※1 被扶養配偶者健診受診率60%
JFE商事 重症化予防 ※2 特定保健指導実施率60%
家族の健康増進 55.4%※1 被扶養配偶者健診受診率60%
禁煙・受動喫煙対策 21.9% 喫煙率20.9%(年1%減)

※1速報値

※2特定保健指導実施率の実績は確定次第追記

JFEスチールでは、精密検査受診率、肥満者比率、喫煙率は暦年で管理

からだの健康に関する取り組み

  • 定期健康診断の着実な実施とがん検診の強化
  • メタボ検診、特定保健指導による生活習慣病の重症化予防
  • 健康保険組合の健康づくり支援ツール「Pep Up」を活用した運動習慣等の啓発
  • 建屋内の禁煙・分煙の推進、産業医・保健師による禁煙指導

喫煙率の推移(事業会社合計)

喫煙率の推移(事業会社合計)

従業員の家族の健康保持・増進

従業員だけではなく、健康保険組合と連携して配偶者健診の受診を推奨するなど、家族の健康保持・増進にも取り組んでいます。被扶養者健診受診率(40歳以上)は着実に向上しており、2022年度は51.5%で、8年前の2014年度の37.6%より13.9ポイント増加しました。

従業員の健康関連データは以下をご参照ください。

従業員の健康関連データ

メンタルヘルスケア(こころの健康)

JFEグループでは、従業員のからだの健康づくりに加えメンタルヘルスケアにも積極的に取り組んでいます。具体的には、従業員自らがストレスに気づき予防対処する「セルフケア」、管理監督者が心の健康に関して職場環境等の改善や部下の相談対応を行う「ラインケア」、事業場内の産業保健スタッフが従業員や管理監督者を支援する「事業場内産業保健スタッフによるケア」、会社以外の専門機関や専門家を活用する「事業場外資源によるケア」の4つのケアを推進しています。

また、健康保険組合では「メンタルヘルスカウンセリングサービス」や「24時間電話健康相談」など、従業員とその家族(配偶者など被扶養者)が気軽に利用できるサービスも提供しています。

健康問題への取り組み

海外赴任者、出張者、留学者を含む全従業員を対象とした健康管理を継続的、効果的に実行するための健康管理システムを運用しています。

特に、医療事情が国内と異なる海外へ渡航する者に対しては、全社規程に基づき、その帯同家族も含めて健康な生活を維持できるよう渡航前の健康診断、予防接種等を実施するとともに、赴任説明会などを通じ、世界的な健康問題である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、HIV・結核・マラリアをはじめとする感染症予防対応を積極的に実施しています。今後も、世界の健康に関する課題を適切に把握し、対応していきます。

JFEスチール

健康保持・増進のための健康経営の推進

従業員のからだの健康、家族の健康保持・増進における重点取り組み事項について、2016年に制定されたJFEグループ健康宣言を契機に「健康経営企画推進ワーキンググループ」を立ち上げて、中長期的な全社到達目標を設定し、目標に対する実績値を継続フォローしています。活動を継続的に行うことにより、すべての従業員が健康でいきいきと働くことができること、また、従業員一人ひとりが自律的に健康保持・増進活動を実践する健康文化を構築することを目指しています。

健康経営企画推進ワーキンググループでは、まず、「からだの健康」にスコープを当て、①健診の徹底・強化、②重症化予防の推進、③運動・健康づくり習慣の定着化、④禁煙・分煙活動の推進について、重点取り組み事項を定め、全事業所と活動を展開しています。

健康経営企画推進体制

健康経営企画推進体制

健康経営企画推進WGの目的

健康経営企画推進WGの目的

健康経営企画推進WG

メンバー • 各地区・製造所・本社 • 産業医および保健師
• 労働人事室長・労政人事部・組織人事部
• 安全健康室(衛生スタッフ)・安全健康部
• 健康保険組合 • 常務理事・健康開発室長
議事テーマ • 健康経営度(からだ・こころ・職場)評価
 
[評価指標と活動の評価]
• 全社横断的な推進事項
• 経営層への健康経営計画と結果報告など
開催頻度 • 年2回

アクティブ体操®

JFEスチールでは、転倒による怪我や体力低下を防止する体操として、西日本製鉄所で考案された「アクティブ体操®」を全社で実施しています。この体操は、労働災害予防や健康増進のためのツールとして社外からも注目を集めており、グループ会社だけでなく構内協力会社、その他さまざまな業種の企業にも普及促進を行っています。転倒や腰痛等の災害の防止活動を図るため、厚生労働省、SAFEコンソーシアムに参加し、「アクティブ体操®」や「安全体力®機能テスト」など積極的に活動に取り組んでいます。

JFEエンジニアリング

健診データを活用した健康増進活動

JFEエンジニアリングでは、過去の健診データより抽出した「睡眠」「喫煙」「肥満」の3つの課題に「がん」と「メンタルヘルス」を加えた5つを重点領域として改善に向けた取り組みをしています。

また、2020年度に統括産業医を選任し、全社健康経営推進体制を再編するとともにグループ会社へのサポートを推進しています。

健康経営推進体制

健康経営推進体制

過去の健康診断結果をもとにした取り組み

開始年度 目的 取り組み
2018 がん対策 定期健康診断に胃部内視鏡検査を導入
2019 睡眠対策 仮眠や呼吸法を実践する「セルフケア研修」を全社展開
2020 肥満対策 労使共催RIZAPセミナー、おうちで職場体操を実施
2021 受動喫煙対策 屋内完全禁煙化を実施
睡眠対策 睡眠リズムを中心とした「セルフケア研修II」を全社展開
2022 個別指導強化 保健指導の強化(睡眠、肥満、喫煙など個別指導)
JFE商事

従業員とその家族の疾病の早期発見と健康保持・増進

JFE商事では、従業員およびその家族の健康が当社のさらなる発展につながるという考えのもと、健康保持・増進に努めるとともに、従業員がいきいきと働くことができる職場環境づくりに取り組んでいます。

健康経営推進体制

健康経営推進体制

過去の取り組み

開始年度 目的 取り組み
2018 がん予防 定期健康診断におけるピロリ菌(血液)検査実施
乳がん・子宮がん検診費用補助を開始
従業員の健康意識の醸成 定期健診の重要性、心疾患・脳疾患についての
eラーニングを実施
2019 肺ガン・脳卒中予防 禁煙外来費用補助を開始
受動喫煙対策(喫煙率の低下)
2020 従業員の運動習慣定着への支援 健康力アップ活動への参加勧奨
2022 個別指導強化 特定保健指導対象者へ個別に受診勧奨を実施

新型コロナウイルス感染症への対応について

JFEグループは、社会に必要な物資を製造、供給する重要な社会基盤であるとの認識から、政府の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の趣旨・内容を十分に理解した上で、従業員の健康確保を最優先し、経団連の発出したガイドラインに示された「感染防止のための基本的な考え方」と「講じるべき具体的な対策」を踏まえた対応を実施してきました。工場の様態等を考慮した創意工夫を図りながら、新型コロナウイルス感染症の感染予防に取り組むとともに、職域接種への対応を含め、社会基盤としての役割を継続的に果たしてきました。

また、感染状況の変化に対しては都度政府及び経団連が発信した要請に従い、適時適切な対応を実施してきました。

【第5類移行後の対応】

2023年5月に感染症分類が第5類に変更されて以降は、政府の指針等に従い対応を行っており、各社内の就業ルール等についても通常時の対応に戻しています。ただし、手洗い・うがいなどの基本的な感染対策については各従業員で励行し、感染拡大防止に努めています。今後、変異株や新たな感染症が発生した際は、新型コロナウイルス感染症対応の経験を活かし、政府方針を踏まえて適切に対応していきます。