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水セキュリティ

基本的な考え方

JFEグループでは、中核事業の鉄鋼製造プロセスにおいて、製品や設備の冷却・洗浄に大量の淡水を使用するため、水源やその周辺のステークホルダーへの影響を考慮した水資源の効率的な利用は重要な課題です。この課題に対応するため、製鉄所などでは使用した水を浄化することで可能な限り水を循環利用し、取水量を減らすための循環システムを構築しています。また、従業員に節水を呼び掛ける等、水使用量の削減と効率的利用により、継続的に環境負荷の低減を推進していきます。

また、国内製造拠点においては、これまでも渇水や洪水などの水に関する気象災害への対策を行ってきましたが、気候変動影響による頻度の増加や激甚化を想定し、代替手段の確保や防潮堤のかさ上げなど、対策の強化に取り組んでいます。さらに、グループの国内外に広がる事業拠点やサプライチェーンにおける取水元の渇水リスクや排水先の汚染リスクなど、水資源に関するリスクを把握した上で、その中で水ストレスを抱える地域ではステークホルダーとの対話を通じて、適切な対応を進めていきます。

体制

JFEグループにおいて、水資源の問題は操業に大きな影響を与えるリスクとして認識しており、これまでも渇水や洪水などの水に関する気象災害への対策を実施してきました。近年は、気候変動による災害の発生頻度の増加や激甚化による影響を想定し、水リスクの適切な把握・管理を行っています。

グループを通じたリスク管理としては、「グループサステナビリティ会議」の議長を務めるCEO(代表取締役社長)のもと、グループ横断の「グループ環境委員会」が水資源の適切な利用などを含む環境への取り組みを討議・監督・指導しています。

なお、2022年度水質に関する環境法令違反は0件、罰金・違約金は0円でした。

目標と実績

JFEグループでは、水資源の利用は、製造業にとって重要な環境課題と認識しており、中核事業である鉄鋼事業において大量に水を利用するため、水資源の循環利用率に対して高い目標を設定して実績を管理し、水使用量の削減に取り組んでいます。2020年度までCSR重要課題としてKPIを設定し、毎年安定して目標を達成し、取り組みを確立してきました。引き続き、以下の高い目標を設定して、水使用量の削減に取り組んでいきます。

2022年度の目標と実績および2023年度の目標

事業会社 2022年度の目標 2022年度の実績・取り組み 2023年度の目標
JFEスチール 水資源の高効率利用の維持循環利用率:90%以上 水資源の循環利用率:93.2% 水資源の高効率利用の維持循環利用率:90%以上

取り組み

水リスク分析とその対応

JFEグループでは、全社的リスク管理の一環で、当社グループの事業における渇水や洪水被害事例、気象庁予測などのデータおよびシナリオ分析の結果をもとに水リスクを抽出、分析、評価しています。そのなかでも、渇水による取水制限や気象災害の激甚化による拠点への被害およびサプライチェーンの寸断を重要なリスクとして捉えており、水の循環利用、代替手段の確保、排水設備の増強などの対策の強化に取り組んでいます。

さらに、鉄鋼事業のサプライチェーンにおける安定調達を実現するため、石炭や鉄鉱石などの原料についても、水害等による影響に関する過去データやシナリオ分析の結果を通してリスク評価し、代替調達先の確保などにより、リスクの低減に取り組んでいきます。

JFEスチール

JFEスチールでは、過去の渇水や洪水被害事例と気象庁予測などのデータや、シナリオ分析の結果をもとに水リスク抽出と評価を行い、さらに世界の各地域における渇水や洪水など全般的な水リスクを評価するマッピング・ツールである世界資源研究所(WRI)のAqueductを用いてさまざまな側面から製造拠点周辺の水リスクを再評価しています。WRI(2023年5月評価)によればJFEの主な製造拠点である製鉄所、製造所では、high以上に指定されていないものの、気象状況により将来(2030年や2040年)は、渇水や洪水のリスクがあるため、気候に左右される恐れのある製造拠点を特定し、BCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)を策定するなどの対策を取っています。

水資源の効率的利用

JFEスチール

JFEスチールでは、国内の7生産拠点のすべてで水の管理計画を策定し、水使用量を把握しており、循環利用率を高めることで、取排水量の低減、水資源の効率利用を推進しています。冷却等で大量に使用する水の循環利用の目標を90%以上と定めており、これは使用時の蒸発量を考慮すれば極めて高い水準です。使用した水は生物処理や化学処理等の徹底した浄化処理を行うことで循環率を高め、目標を継続達成しており、2022年度における工業用水の循環率は93.2%と高い水準を維持しています。

工業用水受入量・循環率推移

工業用水受入量・循環率推移

※1工業用水循環率(%)=(総使用量-工業用水受入量)/総使用量×100

※2集計範囲:JFEスチールの国内連結子会社22社

JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリングおよびグループ各社は、それぞれの事業拠点において水の効率的な使用に努めています。

JFEエンジニアリンググループの水使用量(2022年度)

JFEエンジニアリンググループの水使用量(2022年度)

集計範囲:JFEエンジニアリング単体、国内連結子会社7社

水関連の定量データは以下をご参照ください。

環境データ