JFEグループのバリューチェーン
JFEグループは、上流から下流まで世界中にバリューチェーンが広がるグループの事業において、当社グループが解決に向けて貢献すべき社会課題に対し、事業運営において対処すべきリスクと機会を捉え、これらの課題への取り組みを進めていきます。私たちは今後もバリューチェーンの隅々にわたって対応を充実させていくことで、グループ全体の持続可能性を確保していきます。
鉄鋼事業/商社事業
バリューチェーン全体像
調達
鉄鋼製品の生産に必要な原料である鉄鉱石や石炭を製鉄所に安定供給するため、オーストラリア、南米など世界各地から購入し、専用の船で輸送しています。また製鉄プラント等の設備や資材に関してもグローバルな調達を進めています。JFEスチールは、持続可能な社会の実現に向けた活動をサプライチェーン全体で推進していくことを目的に、「JFEグループ企業行動指針」および「JFEグループ人権基本方針」に沿って、「JFEスチール調達ガイドライン」を制定しました。これをお取引先様と共有し、サステナビリティに関する取り組みをサプライチェーン全体で推進していきます。
生産・製造・出荷
自動車、インフラ、家電など人々のくらしに欠かせないさまざまな領域で使用される鉄鋼製品を、世界トップクラスの鉄鋼生産規模をベースに最先端の技術力をもって、高品質かつ効率的に生産し、安定的に供給しています。
また、生産・加工工程で発生した鉄スクラップの再資源化とともに、製鉄工程において発生する副産物の鉄鋼スラグはセメント材料や土木材料などへ活用することで、資源循環を推進していきます。
販売・使用
自動車の軽量化に寄与する高張力鋼板や、電動化に貢献する電磁鋼版など、環境配慮型商品の開発を進めるとともに、グループ全体で洋上風力発電の事業化にも取り組んでいます。研究開発や製造技術向上を通じて各産業のさまざまなニーズに応え、最先端のモノづくりを支えています。
鉄スクラップ回収
製品寿命をむかえた鉄鋼製品をスクラップとして回収し、製鉄プロセスに戻し原料として使用しています。
環境
バリューチェーン上の課題 | 調達 | 生産・製造・ 出荷 |
販売・使用 | 鉄スクラップ 回収 |
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原材料 鉄鉱石/石炭 |
資機材 | ||||
気候変動 | |||||
JFEグループにとって、気候変動問題は事業継続の観点から極めて重要な課題であり、2050年カーボンニュートラルの実現を目指して取り組みを推進しています。経営上の重要課題に、気候変動への対応に関する項目を特定し、気候変動問題の解決に積極的に取り組んでいます。 | |||||
機会 ・革新技術の開発と競争優位性の確保 ・再生可能エネルギーソリューションの需要拡大 ・電炉鋼生産、電炉エンジニアリングビジネスの拡大 ・高張力鋼板や電磁鋼板などの高機能鋼材供給によるCO2削減への貢献 |
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リスク ・鉄鋼(高炉)プロセスへの脱炭素ニーズの高まり ・革新技術導入に伴う投資負担の増大 ・炭素税の導入 ・激甚化する自然災害によるサプライチェーン寸断 ・海面上昇による拠点の浸水リスク |
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主な取り組み 関連ページ |
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環境配慮型プロセス・商品の開発と提供 | |||||
「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します」という企業理念のもと、環境に配慮した鉄鋼製造プロセスの開発および技術や製品を提供することを通じて環境負荷低減に貢献していきます。 | |||||
機会 ・環境に配慮したプロセス ・商品の開発と競争優位性の確保 |
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リスク ・環境規制の厳格化 ・製品使用時における環境負荷増大 |
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主な取り組み |
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資源有効活用 | |||||
資源枯渇や環境汚染などの問題が一層グローバルに顕在化することを考慮し、製鉄プロセスにおける副産物の再資源化、鉄スクラップのグローバル循環を通じて資源循環に貢献しています。 | |||||
機会 ・鋼材のリサイクル性への再注目 ・スクラップ利用機会の拡大 ・スクラップ物流ビジネスの拡大 |
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リスク ・排出した廃棄物の処分場不足 ・資源の枯渇 ・老廃スクラップの価格高騰、入手困難化、品位低下 |
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主な取り組み 関連ページ |
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水セキュリティ | |||||
鉄鋼製品の製造において、製品や設備の冷却・洗浄に大量の淡水を使用するため、水源やその周辺のステークホルダーへの影響を考慮した水資源の効率的な利用は重要な課題です。 | |||||
リスク ・環境負荷の増大 ・環境規制の厳格化 ・取水元の渇水リスク ・排水先の汚染リスク |
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主な取り組み 関連ページ |
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汚染防止 | |||||
地域社会の皆様はもとより、地球環境・社会と共存・共栄し、自社の事業継続をする上で、大気環境への汚染物質排出抑制、環境保全設備への積極的な投資などの取り組みは、重要な課題と位置付けています。 | |||||
リスク ・環境負荷の増大 ・環境規制の厳格化 |
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主な取り組み 関連ページ |
社会
バリューチェーン上の課題 | 調達 | 生産・製造・ 出荷 |
販売・使用 | 鉄スクラップ 回収 |
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原材料 鉄鉱石/石炭 |
資機材 | ||||
顧客責任 | |||||
自動車、インフラ、家電など人々のくらしに欠かせないさまざまな領域で使用される鉄鋼製品を提供しています。お客様の要求する品質にお応えし、お客様に安定して製品を供給することは、重要な責任と捉えています。 | |||||
機会 ・サステナブル調達の拡大と安定調達体制の構築 ・安定した生産・品質による競争優位性の確保 |
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リスク ・気候変動に伴う災害や地震等自然災害によるサプライチェーンの寸断 ・生産・品質問題と顧客信用低下 ・老廃スクラップの価格高騰、入手困難化、品位低下 |
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主な取り組み 関連ページ |
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人的資本:労働安全衛生 | |||||
従業員の安全と健康の確保は製造業の基本要件であり、企業存続の基盤でもあります。JFEグループは、「安全はすべてに優先する」の基本姿勢のもと、グループ会社・協力会社と一体になって安全健康活動を進め、安全で健康的な職場づくりに取り組んでいます。 | |||||
リスク ・事故や労働災害の発生 |
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主な取り組み 関連ページ |
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人的資本:多様な人材の確保と育成(労働慣行) | |||||
JFEグループでは、法令遵守はもとより当社の持続的な成長のために、多様な人材の確保や事業活動を支える人材の育成、従業員が働きがいをもって能力を最大限に発揮できる職場環境や制度の整備、時間と場所にとらわれない新しい働き方の実現などを推進しています。 | |||||
機会 ・新しい働き方の実現による優秀な人材の確保 |
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リスク ・労働力の不足 ・労務リスク ・技術伝承の断絶 |
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主な取り組み 関連ページ |
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人権 | |||||
JFEグループは、人権尊重が企業の社会的責任であるとともに経営基盤の一つであると考え、企業行動指針に企業活動において一切の差別を行わないことを明示し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った取り組みをグループ一丸となって推進しています。 | |||||
リスク ・潜在的な人権リスク |
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主な取り組み 関連ページ |
ガバナンス
バリューチェーン上の課題 | 調達 | 生産・製造・ 出荷 |
販売・使用 | 鉄スクラップ 回収 |
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原材料 鉄鉱石/石炭 |
資機材 | ||||
コンプライアンス | |||||
幅広く国内外でビジネスを展開していくうえで、お客様をはじめ、株主・地域社会などすべてのステークホルダーとの信頼関係が重要であり、「コンプライアンスの徹底」は、その信頼関係の基盤であると考えています。腐敗行為の防止等に関する教育を実施することで、従業員全員がコンプライアンスの知識や認識を深め、日々実践していくことが重要です。 | |||||
リスク ・独占禁止法違反、競争法違反など公正でない取引による法的問題 |
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主な取り組み 関連ページ |
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情報セキュリティ | |||||
JFEグループは情報セキュリティ管理の諸規程を制定し、サイバー攻撃やシステムの不正利用による情報漏えいやシステム障害を防止する対策を実施し、情報セキュリティ管理レベルを継続的に向上しています。 | |||||
リスク ・サイバー攻撃やシステムの不正利用による情報漏えいやシステム障害 |
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エンジニアリング事業
バリューチェーン全体像
エンジニアリング(くらしの礎を創る)
エネルギー・環境や橋梁などさまざまな分野で、設計から引き渡しまで、お客様のニーズに即した高機能・高品質な施設を数多く建設してきました。「造船事業をベースとした加工・組み立て技術」と「鉄鋼事業をベースとした素材・燃焼技術」を融合・進化させた社会を支える技術を数多く有しており、次世代エネルギーの創出や環境問題の解決などに貢献しています。また、これらの技術に基づいた新たなビジネスモデル・新たな技術の開発に総力を挙げて取り組んでいます。国内最大級の鋼構造物製作工場をはじめとする生産拠点やアジア諸国を中心とした海外拠点を含むグローバルエンジニアリング体制も構築しており、高品質・低コストでの製品・サービス供給を可能としています。
事業運営・操業支援(くらしの礎を担う)
環境・上下水などのプラントを中心として、長きにわたりオペレーション・メンテナンスのノウハウを培い、公共サービス分野で数多くの官民連携事業を手がけています。また、自らがプラントを建設し、リサイクル事業や再生可能エネルギー発電事業を行い、循環型社会、持続可能な社会の構築に取り組んでおり、今後もさらに拡大していきます。
事業継続(くらしの礎をつなぐ)
エネルギーや環境プラント、橋梁、沿岸構造物などのインフラ施設の建設、運営、メンテナンスを継続し、安心、安全な社会を次世代につなげていきます。
環境
バリューチェーン上の課題 | 企画・開発・ 設計 |
調達 | 製作・建設 | メンテナンス・ 運営 |
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気候変動 | ||||
JFEグループは、エンジニアリング事業において再生可能エネルギー利用技術や省エネルギー製品などの環境配慮型商品・技術を提供することを通じて社会全体のCO2削減に貢献することを目指しています。経営上の重要課題に、気候変動への対応に関する項目を特定し、気候変動問題の解決に積極的に取り組んでいます。 | ||||
機会 ・再生可能エネルギーソリューションの需要拡大 ・CCU※1・CCS※2設備の需要増加 ・エネルギー環境分野のニーズ高度化 ・気候変動に伴う災害への対応強化(防災・減災、災害廃棄物処理等) ・Waste to Resource(食品廃棄物発電)の需要拡大 |
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リスク ・激甚化する自然災害によるサプライチェーン寸断 ・気象災害による影響 ・海面上昇による拠点の浸水リスク ・環境規制の厳格化 |
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主な取り組み 関連ページ |
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環境配慮型プロセス・商品の開発と提供 | ||||
「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します」という企業理念のもと、成長セクターである環境・リサイクル分野を中心とする事業活動を通じて、環境負荷低減に関する社会課題解決に貢献していきます。 | ||||
機会 ・運転効率の向上、環境負荷低減へのニーズ ・コストダウン、省エネニーズ |
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主な取り組み |
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資源有効活用 | ||||
資源枯渇や環境汚染などの問題が一層グローバルに顕在化することを考慮し、廃棄物の焼却プラントや汚泥消化プラントを建設してお客様に提供することに加え、自ら廃棄物リサイクル事業やエネルギー供給事業を展開し、資源循環のソリューションを提供しています。 | ||||
機会 ・Waste to Resource(プラスチックリサイクル、食品廃棄物発電)の需要拡大 |
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リスク ・排出した廃棄物の処分場不足 ・資源の枯渇 |
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主な取り組み 関連ページ |
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水セキュリティ | ||||
重要なライフラインである上下水道の整備・運営をトータルマネジメントすることで社会の水環境の負荷低減に貢献しています。 | ||||
機会 ・運転効率の向上、環境負荷低減へのニーズ |
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リスク ・取水元の渇水リスク・排水先の汚染リスク ・環境規制・法令違反 |
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主な取り組み 関連ページ |
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汚染防止 | ||||
地域社会の皆様はもとより地球環境・社会との共存・共栄し、自社の事業継続のため、大気環境への汚染物質排出抑制、環境保全設備への積極的な投資などの取り組みは、重要な課題と位置付けています。 | ||||
機会 ・運転効率の向上、環境負荷低減へのニーズ |
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リスク ・環境負荷の増大 ・環境規制 ・法令違反 ・環境事故の発生 ・生活環境汚染 |
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主な取り組み 関連ページ |
※1CCU:Carbon dioxide Capture and Utilization(CO2回収・利用)
※2CCS:Carbon Capture and Storage(CO2の回収・貯留)
社会
バリューチェーン上の課題 | 企画・開発・ 設計 |
調達 | 製作・建設 | メンテナンス・ 運営 |
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顧客責任 | ||||
国内最大級の鋼構造物製作工場をはじめとする生産拠点やアジア諸国を中心とした海外拠点を含むグローバルエンジニアリング体制を構築しています。全社品質方針を遵守し、高品質な製品・サービスの供給、アフターサービス体制の強化などを通じて、お客様満足度の最大化を目指しています。 | ||||
機会 ・サステナブル調達の拡大と安定調達体制の構築 ・要求性能の実装 ・コストダウン、省エネニーズ ・公共サービスの民営化による事業規模拡大 |
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リスク ・生産・品質問題と顧客信用低下 |
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主な取り組み 関連ページ |
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人的資本:労働安全衛生 | ||||
従業員の安全と健康の確保は製造業の基本要件であり、企業存続の基盤でもあります。JFEグループは、「安全はすべてに優先する」の基本姿勢のもと、グループ会社・協力会社と一体になって安全健康活動を進め、安全で健康的な職場づくりに取り組んでいます。 | ||||
機会 ・からだとメンタルの健康による人的資本の最大化 |
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リスク ・事故や労働災害の発生 ・新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの寸断 |
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主な取り組み 関連ページ |
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人的資本:多様な人材の確保と育成(労働慣行) | ||||
JFEグループでは、法令遵守はもとより当社の持続的な成長のために、多様な人材の確保や事業活動を支える人材の育成、従業員が働きがいをもって能力を最大限に発揮できる職場環境や制度の整備、時間と場所にとらわれない新しい働き方の実現などを推進しています。 | ||||
機会 ・新規技術導入などによる省人化・省力化 ・人材不足による遠隔監視、自動運転へのニーズ |
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リスク ・労働力の不足 ・労務リスク ・技術伝承の断絶 |
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主な取り組み 関連ページ |
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人権 | ||||
JFEグループは、人権尊重が企業の社会的責任であるとともに経営基盤の一つであると考え、企業行動指針に企業活動において一切の差別を行わないことを明示し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った取り組みをグループ一丸となって推進しています。 | ||||
リスク ・潜在的な人権リスク |
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主な取り組み 関連ページ |
ガバナンス
バリューチェーン上の課題 | 企画・開発・ 設計 |
調達 | 製作・建設 | メンテナンス・ 運営 |
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コンプライアンス | ||||
幅広く国内外でビジネスを展開していくうえで、お客様をはじめ、株主・地域社会などすべてのステークホルダーとの信頼関係が重要であり、「コンプライアンスの徹底」は、その信頼関係の基盤であると考えています。腐敗行為の防止等に関する教育を実施することで、従業員全員がコンプライアンスの知識や認識を深め、日々実践していくことが重要です。 | ||||
リスク ・独占禁止法違反、競争法違反など公正でない取引による法的問題 |
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主な取り組み 関連ページ |
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情報セキュリティの確保 | ||||
JFEグループは情報セキュリティ管理の諸規程を制定し、サイバー攻撃やシステムの不正利用による情報漏えいやシステム障害を防止する対策を実施し、情報セキュリティ管理レベルを継続的に向上しています。 | ||||
リスク ・サイバー攻撃やシステムの不正利用による情報漏えいやシステム障害 |
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主な取り組み 関連ページ |