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顧客責任(良質な商品の提供とお客様満足度の向上)

基本的な考え方

JFEグループは「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。」という企業理念に基づき、豊かな地球の未来のための世界トップレベルの商品やサービスを提供する存在であり続けることを目指しています。

JFEグループ企業行動指針

  1. 1良質な商品・サービスの提供

    優れた技術に基づいた安全で高品質の商品とサービスの提供に努めるとともに、個人情報・顧客情報の保護に十分配慮し、お客様から高い評価と信頼を得る。また技術に立脚した事業の展開により、グループの持続的な成長と持続可能な社会の実現への貢献を目指す。

目標と実績

JFEグループは「良質な商品・サービスの提供」という行動指針のもと、経営上の重要課題として、「生産・エンジニアリングの高効率化とコスト競争力向上」、「商品・サービスの品質向上と安定供給」を掲げ、KPIを設定することで進捗管理および取り組みを推進しています。

2022年度のKPI実績と2023年度のKPI

取り組み

品質への取り組み

JFEグループでは、各事業会社によって定められた品質管理基準にしたがい、適正な品質管理を行っています。また、ISO9001については、品質管理上取得が必要と判断した製造拠点については、すべての拠点で取得が完了しています。

品質向上と品質保証体制強化

JFEスチール

JFEスチールでは、お客様の要求する品質にお応えし、世界最高品質の商品をお届けするために、新製品や製造技術の開発とともに最先端のセンサーを活用したプロセス監視による製品品質の向上に努めています。

品質保証体制強化のため、日本鉄鋼連盟が加盟会社に対して求めている「品質保証体制強化に向けたガイドライン」に沿った活動を展開しています。そのなかでも、試験検査の信頼性の向上に関して、高精度の試験検査機を用いて製品試験を行うとともに、試験指示・試験片照合を含めた試験検査の実施から結果報告までの各プロセスにおける自動化を推し進め、識別作業の間違い防止やデータ改ざんの防止に徹底的に取り組んでいます。

ISO9001品質マネジメントシステムをベースとした、JIS、船級協会規格や海外の関連国家規格等、鉄鋼製品に必要な規格認証の取得に加え、今後のDX推進や研究開発により得られた技術の社会実装に伴う国際的なルール形成、標準化を積極的に推進し、革新的な価値のお客様への提供を目指します。

JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリングでは「当社で設計、調達、製作並びに建設する製品およびサービスの品質は、お客様の要求事項、適用法令および規格を満たし、お客様の満足を得るものでなければならない。」とした全社品質方針を掲げ、品質活動を進めています。

具体的には、プラント建設における調達、製作、工事、試運転等の各フェーズにおいて認定検査員による立会検査を実施するとともに、重要工程や設備引渡し時にはお客様の立会検査を実施し、品質を確保しています。

品質保証に関しては、多岐にわたる商品それぞれの特性に合わせた品質マニュアルを定めるとともに、商品分野ごとにISO9001認証を取得するなど、最適な品質管理の実現に取り組んでいます。

また、品質検査に電子帳票システムを導入し、検査データの記入漏れや改ざん防止を図るとともに、すべての検査データの電子保管を行うことでトレーサビリティ強化を図っています。

JFE商事

JFE商事では「お客様から常に信頼されるために、要求される品質を満足する商品を提供し続ける」を品質理念に掲げ、お客様の安心と満足のため品質保証のたゆみないレベルアップに努めています。国内外加工センターではシステム化・自動化を推し進め、ヒューマンエラー撲滅に取り組んでいます。また、受注から加工、検査、出荷でのヒューマンエラー防止に向けては、従業員の意識向上が不可欠であることから、国内外のグループ会社の不適合事例だけでなく、他社も含めた不適合事例を題材とした品質教育を実施しています。さらに、品質保証についてチェック・助言する定期監査を、国内外の対象グループ会社に対し実施しています。フォローアップが必要な場合は継続して改善の進捗を確認することで、品質保証レベルの維持向上を図っています。

商品安定供給

JFEスチール

JFEスチールでは、デジタル技術を製造プロセスで積極的に活用することにより、製造実力の向上に取り組んでいます。

全製造プロセスをCPS(サイバー・フィジカル・システム)化することでの製造基盤強化を進めるとともに、製鋼から最終工程までの一貫データを用いた品質予測技術の本格導入による品質向上ならびに歩留の向上や、試験・検査の自動化率の向上等による信頼性向上も進めています。

このような活動を通じて設備稼働および生産・品質の安定化を実現し、お客様へ高品質な商品を供給していきます。

JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリングは、建設業法において、機械・土木・建築工事などの特定建設業者に指定されているため、各工事現場に施工の技術上の管理を行う「監理技術者」を専任で配置しています。この有資格者の確保がプラント工事を安定的に進める上では不可欠です。社内在籍者の免許資格取得を促進するための資格手当の支給などの施策に加え、キャリア採用による有資格者の確保に努めています。

JFE商事

JFE商事では、お客様からの要望に対し安定的に対応できるよう、原材料調達から加工・流通までの一貫したサプライチェーンの強化に取り組んでいます。原材料分野においては、鉄鋼原料である鉄鉱石・石炭等をブラジル、オーストラリアをはじめとする世界各国から調達できる体制・ネットワークを構築しています。また、鉄鋼製品の加工流通分野においては、継続的な設備投資・効率化を通して最適な販売加工体制を構築するとともに、グループ会社に対する定期的な品質監査を実施することで、品質保証体制を強化しています。

適正な輸出業務の遂行

JFEグループの各事業会社は、国際的な平和と安全の維持の観点から、大量破壊兵器などの不拡散や通常兵器の過度な蓄積の防止などに貢献するための取り組みを進めています。具体的には製品輸出に際して最終仕向け地・お客様・用途などを確認する社内審査を実施し、適正な輸出業務の遂行に努めるほか、「外国為替及び外国貿易法」などの輸出関連法規を周知徹底していくために、法務部門による社内研修も実施しています。また、貿易業務に従事するグループ会社を対象に、安全保障貿易管理教育を実施するなどの取り組みを行っています。

CS(お客様満足度)向上

JFEスチール

積極的なDX推進

JFEスチールのDX(デジタルトランスフォーメーション)の主軸は、IoT・AI・データサイエンス(DS)等の積極的な導入によるテクノロジーの革新とデータ資産の活用です。当社は諸外国のミルと比較しても、長年の生産活動によって得られたノウハウやデータを大量に蓄積しています。この豊富なデータ資産は価値創出の源泉です。

これらを最新のDS・AI等を用いて縦横に活用することで、革新的な生産性向上、品質向上、安定操業等を実現し、競争力向上に役立てていきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

DXの詳細は以下をご参照ください。

DX REPORT

お客様と一体となって商品開発できる試験・研究施設の設置

JFEスチールは、東日本に自動車分野向けのカスタマーズ・ソリューション・ラボ(CSL)や溶接・破壊・疲労研究開発拠点(JWI‐CIF2)、西日本に材料開発、利用技術研究のカスタマーズセンター福山(CCF)を設置し、お客様と一体で共同研究・開発を行う体制を構築しています。これらの共同研究拠点を活用したEVI活動の強化により、お客様ニーズをいち早く把握し、最先端評価技術・革新的な製造プロセスを活用した新商品開発を進めています。

Early Vendor Involvementの略。お客様の新商品開発に初期段階から参画し、その新商品のコンセプトに合わせた鋼材使用、部材加工方法、パフォーマンス評価などを提案・開発する活動

カスタマーズ・ソリューション・ラボ
カスタマーズ・ソリューション・ラボ

お客様ニーズへの対応力向上

営業部門では、本社・支社の各階層の営業担当者および海外事務所のナショナルスタッフに対する研修を実施し、営業教育の充実を図っています。具体的には、担当者のお客様対応総合力を向上させるべく「技術的な会話能力」「商品開発につながるヒントを見逃さず社内へ展開する力」「物流・流通面での改善提案力」「財務指標・原価分析力」などの養成をしています。また、お客様から受注した製品の仕様を確実に製造に繋げる受発注システムの改善にも継続的に取り組みます。以上の取り組みを通じて、お客様ニーズへの対応力向上を図っていきます。

一貫したお客様対応

お客様へのアンケートやヒアリングを定期的に実施し、収集したデータに基づきお客様満足度向上のための戦略を立案しています。それらの情報は営業部門、セクター・センター、製鉄所・製造所で共有し、一貫したお客様対応のもと、JFEグループの総合力を活かして提案力向上を推進しています。

JFEエンジニアリング

DXを最大限に活用し、くらしの礎を創る・担う・つなぐ

JFEエンジニアリングでは、人々の暮らしや産業を支えるインフラの企画・設計・建設・運営事業を展開しています。こうした取り組みをさらに加速させるとともに、今後も当社がエンジニアリング業界のフロントランナーであり続けるためには、DXによる変革が不可欠です。

単なる業務効率化にとどまらず、業務プロセスの抜本的な改革や商品・サービスへの新機能搭載、データを活用した新たなビジネスへの挑戦など、グリーン社会実現と企業価値向上に向けて、DXを積極的に進めていきます。

JFEエンジニアリングのDX戦略

JFEエンジニアリングのDX戦略

DXの詳細は以下をご参照ください。

DX REPORT

お客様からの評価情報を活用

JFEエンジニアリングでは、提供商品やサービスに対するお客様へのアンケート、ヒアリングや工事成績評定通知書を通じて、施工体制、品質、高度技術、創意工夫に関する評価情報を収集・蓄積しています。これらの情報を、社内各部門で分析し、品質向上や新商品開発、アフターサービス体制の強化などに活かすことでお客様満足度の最大化を目指しています。

JFE商事

お客様ニーズに対応した体制の構築

JFE商事では、多様化するマーケットや高度化するお客様のニーズに対応するため、当社グループの強みを活かしたDXソリューションの導入に向けた検討を進めています。

JFE商事の子会社であるJFE商事エレクトロニクス(株)では、「ビジネスの変革と新たな価値の創出」を目指して、製鉄所などのプラント情報(温度や圧力等)や監視カメラの映像を一括管理できる遠隔監視システム「SDxV(エス・ディー・エックス・ブイ)」の提供を開始しました。SDxVの導入により、設備・プラント現場の一元可視化だけでなく、AIを駆使した異常検知や予兆保全に効果的な情報の入手が可能になります。

今後も製造現場におけるDXを活用したお客様への革新的な価値の提供の実現を目指し検討を進めていきます。

システムの概要

散在する各種データ(制御/プラント操業状態等)を統合管理可能なSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)システムに光学カメラやサーモカメラの映像を融合させ、同一画面に連携表示

工場内で起きている事象の一元可視化、集中監視化、遠隔操作が可能

システム構成例

DXの詳細は以下をご参照ください。

DX REPORT

研究開発の推進

JFEスチール

JFEスチールでは、第7次中期経営計画で掲げている製鉄プロセスにおけるCO2低減技術、カーボンニュートラルに向けたカーボンリサイクル高炉+CCU、水素還元製鉄といった革新的技術の研究開発を推進しています。データサイエンス技術、ロボティクス技術を積極的に活用し、社会やお客様のニーズに対応した技術開発を進めていきます。

さらに自動車(EV化対応含む)・新エネルギー分野を研究開発の重点分野とし、各分野で新商品とソリューションの提供を加速しています。

JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリングでは「Waste to Resource、カーボンニュートラル、複合ユーティリティサービス、基幹インフラ」の4事業分野とそれらを支える技術基盤であるDXの5つを重点分野と位置付け研究開発を推進しています。特に、洋上風力のモノパイル式基礎の製造技術、清掃工場の排ガスからのCO2回収技術および回収したCO2からのメタノール製造技術等をはじめとした「カーボンニュートラル」を最注力分野として取り組んでいます。

社内表彰

技術開発や商品開発などに関する取り組みに対し、2022年度は以下の通り社内表彰を実施しています。

社内表彰(2022年度)

  表彰名 対象 受賞組織
JFEスチール JFEスチール
社長賞
最優秀賞・優秀賞
DXによる高炉操業の自動化(CPS化) スチール研究所 サイバーフィジカルシステム研究開発部ほか
本社基幹系システムの完全オープン化によるDX基盤の確立 IT改革推進部ほか
国土強靭化に対応した高強度スパイラル鋼管杭の普及・拡販 建材センター建材営業部ほか
高炉長寿命ステーブ開発とステーブ交換工法最適化技術の確立 西日本製鉄所(倉敷地区)設備部ほか
作業支援システムによる作業の安全・安心・効率化 西日本製鉄所(福山地区)環境・防災部ほか
JFEエンジニアリング 技術開発社長表彰 最優秀賞 WinmuSe®による高精度ガス需要予測モデルの開発 DX本部

外部表彰は以下をご参照ください。

主な外部表彰